2026年、中小企業の新しい事業を支える「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が始まりました。第1回の申請締切は2026年10月30日(金)18時です。採択は、提出された事業計画をもとに、「補助対象事業としての適格性」「経営戦略との整合性」「事業の実現可能性」「公的補助の必要性」「政策面」などの観点から総合的に評価して決まります(公式サイト「よくあるご質問」より)。この記事では、公式資料の要点と、新規事業を立ち上げる現場の目線から、事業計画で詰めておきたい点をまとめます。

1. この補助金の概要

対象は中小企業等で、目的に応じて3つの枠があります。

枠内容補助上限の最大額
(賃上げ特例の適用時)
補助率
(地域別最低賃金引上げ特例の適用時)
革新的新製品・サービス枠革新的な新製品・新サービスの開発2,500万円(3,500万円)中小企業者 1/2(2/3)
小規模企業・小規模事業者、再生事業者 2/3
新事業進出枠既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出7,000万円(9,000万円)1/2(2/3)
グローバル枠海外市場開拓(輸出)に向けた、国内の輸出体制の強化7,000万円(9,000万円)2/3

補助上限額は従業員数によって変わり、表の金額は最も大きい区分のものです(例:新事業進出枠で従業員20人以下の場合、基本の上限は2,500万円)。補助下限額は、革新的新製品・サービス枠が100万円、新事業進出枠とグローバル枠が750万円です。申請前に、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください(2026年10月12日時点の情報です)。

2. 「新しさ」を、制度の定義に沿って説明する

新事業進出枠では、まず、新しい製品やサービスとその市場が自社にとって新しいことが前提です。そのうえで、制度の補足資料では、次のどちらかを満たすことが求められています。

  • 新市場性:その製品・サービスのジャンル・分野が、社会において一般的な普及度や認知度が低いこと
  • 高付加価値性:同じジャンル・分野の中で、一般的な付加価値や相場価格と比べて、高水準の高付加価値化・高価格化を図ること

注意したいのは、ジャンル・分野を区切るときに「性能」「サイズ」「素材」「価格帯」「地域性」「業態」「顧客層」「効果」などの要素を含めてはいけない点です。たとえば「高級」「〇〇向け」と付けて新しく見せる説明は、新市場性の根拠になりません。また、どちらかを満たしても、必ず採択されるわけではありません。自社の強みが、なぜその新しさや付加価値を生むのか。その筋道を説明できることが、計画の土台になります。

3. 「誰が買うか」を、想像ではなく声で示す

新規事業でよくあるつまずきの一つは、「売れるはず」という前提のまま設備や店舗に投資してしまうことです。計画書を書く前に、想定する顧客に実際に話を聞き、「いくらなら買うか」「今は何で代用しているか」を確かめておきましょう。その記録は、需要があることを示す有力な根拠になります。

4. 立ち上げ後の「運営」までを計画に入れる

設備を入れて終わりでは、事業は動きません。誰が売るのか、どう知ってもらうのか、何か月で収支が合うのか。体制・集客・収支の3つを、数字と担当者名で書ける状態にしておくことが大切です。

5. 新ブランド立ち上げの現場から

LEONIAが支援した高級クリームコロッケ専門店「FONDANT」では、「今、なぜこの味なのか」という問いから始め、コンセプト、ロゴ、什器・制服までを一貫した考え方で設計しました。開業後には、全国放送の情報番組で特集されています(本事例は、本補助金の採択事例ではありません)。「なぜこの事業なのか」を一言で言えることは、計画を説明するときにも、お客様に選ばれるときにも土台になると、私たちは考えています。

6. まだアイデアの段階でも

新規事業の計画は、一人で考えるより、第三者と話しながら整理するほうが早く固まります。LEONIAは、事業計画の中身づくりから、立ち上げ後の運営まで伴走します。まだ課題が整理できていない段階でも、お気軽にご相談ください。

本記事は制度の概要を紹介するものであり、申請要件を満たすことや採択を保証するものではありません。最終的な判断は、公募要領をご確認のうえ、事務局にお問い合わせください。

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト/制度補足資料「-新市場・高付加価値事業とは-」(中小企業庁・中小機構、令和8年6月)/公式サイト「よくあるご質問」/中小企業庁「第1回公募要領を公開しました」

よくある質問

第1回の申請締切はいつですか?
2026年10月30日(金)18時です。日程や要件は変わることがあるため、申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
「高級」や「〇〇向け」と付ければ、新市場性の説明になりますか?
なりません。制度の補足資料では、ジャンル・分野を区切るときに「性能」「サイズ」「素材」「価格帯」「地域性」「業態」「顧客層」「効果」などの要素を含めてはいけないとされています。
新市場性か高付加価値性を満たせば、採択されますか?
どちらかを満たしても、必ず採択されるわけではありません。採択は、提出された事業計画をもとに総合的に評価して決まります。
LEONIAには何を相談できますか?
事業計画の中身づくりから、立ち上げ後の運営まで伴走します。まだアイデアの段階や、課題が整理できていない段階でもご相談いただけます。